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2009年6月10日 (水)

基本が重要 以前のホームページより

不動産登記法は、手続法です。主として、民法177条を受けて、対抗要件(登記が効力要件の場合もあります)を備えるための登記の手続を規定しています。  

売主、買主が、ある不動産の売買契約を締結します。民法176条により、特約なき限り、所有権移転が売主から、買主に移転します。しかしながら、実際の実務については、売買代金の支払いが完了したときに、所有権が売主から、買主に移転する旨の特約が売買契約に付されています。

よって、売買契約の締結の段階では、所有権移転の効力が発生していませんので、所有権移転登記の申請の基礎である物権変動が生じていませんので、登記を申請することができません。

このように不動産登記法は、実体法である民法などを基礎として成り立っているのです。ただ、不動産登記は、特殊で、物権変動が生じ、登記と実体は一致すべきであるから、簡易迅速に登記を実行できるかというとそうではありません。

簡単に登記できてしまうと、他人に勝手に登記されてしまう可能性があるからです。不動産登記手続は、非常に重い手続になっており、複雑です。不動産登記(法人登記も同様)の特徴として、不動産登記法(省令など含む)には、規定されていないことが、行政通達、質疑応答、カウンター相談など(先例と言われています)に記載されていることが非常に多いのです。おびただしい数の先例で運用されているのが、登記なのです。

私の受験時代においては、不動産登記は穴だらけの法律で、先例で穴を埋めていると言われました。ただ、先例も基礎となっているのも不動産登記法なのです。

会社登記も、主に商法(来年5月以降は、会社法)を基礎に成り立っています。商法では、株式会社の取締役は、株主総会で選任すると規定しているから、取締役の変更登記には、株主総会議事録を添付するのです。商法では、新株発行(株式を新たに発行する場合)で、第三者に有利発行(市場より安い場合など)する場合、株主総会の特別決議(決議要件が重い)が要求されていますので、この場合も株主総会議事録が添付書類をされても良いようですが、されていません。

これば、実体法の段階で、最高裁判例で、上記特別決議は、新株発行の無効原因とされていないからです。新株発行は、第三者に非常に影響があります(例えば、上場株式なら、譲渡されます)ので、無効原因が非常に限れます。会社内部の関係よりも、第三者を重視し、無効の方法も「新株発行無効確認の訴え」に限られ、提訴機関の制限もあり、判決効力は、すべても人に及びます。運動でも仕事でも「基本が重要」ということです。登記だって、民法や商法などの実体法が前提なのです。基本なくして、応用はないのです。

「基本を重視」するのが、私のスタイルです。基本どおりになっていれば、姉歯などは、生まれないのです。

司法書士 藤村和也 http://www.kfsj.net

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