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2010年7月

2010年7月14日 (水)

司法テロリストの逮捕(平成22年7月14日更新)

SFCG資産隠し:元社長、詐欺再生で起訴--東京地検

 商工ローン大手「SFCG」(旧商工ファンド、破産手続き中)による資産隠し事件で、東京地検は7日、同社元社長の大島健伸容疑者(62)を民事再生法違反(詐欺再生)と会社法違反(特別背任)などで起訴した。立件額は約418億円で、詐欺再生では過去最高とみられる。大島被告とともに逮捕された長男(33)ら3人については「関与が従属的」などとして、処分保留で釈放した。【三木幸治】

http://mainichi.jp/select/biz/news/20100708ddm041040055000c.html

大分前になるが、SFCG(旧商工ファンド)の元社長の大島健伸が逮捕された。SFCG(旧商工ファンド)は、債務整理の手続きにおいて特にやっかいな相手として認識されてきた。

実際、私がSFCG(旧商工ファンド)の保証人から契約書を見せてもらったときに唖然とした。契約書には、SFCG(旧商工ファンド)の社員、債務者、連帯保証人(根保証)が一緒にポラロイドカメラでとった写真が同封されていた。ここまでやるかいうのが、感想だった。

 この頃はないが、弁護士が債務整理をした事案での任意売却(債務者の不動産売買)SFCG(旧商工ファンド)が登記簿上、抵当権者でいるだけで当時は武者震いが出て緊張した。こういう事案は、抵当権者が多数おり、抹消登記も多いので特別に緊張する。大島健伸は、司法テロリストと呼ばれていた。根保証をはじめ、根抵当権設定仮登記、支配人による訴訟の進行、おもちゃ手形による差押さえ、公正証書による差押さえ等ありとあらゆる手段で回収をしていたからである。

根保証は、大島健伸が国会でも以前、参考人招致されたが、例えば

①債権の範囲 金銭消費貸借取引 手形債権

②極度額 5000万

③実際の契約時の借入1000万という契約を保証人とした場合

契約時には、1000万の保証人との説明を保証人にし(根保証について一応の説明はする)て、契約をさせ、後日、債務者が借り入れを希望して、5000万を借りれば、根保証人の責任は、極度額である5000万になるとんでもない契約である。

SFCG(旧商工ファンド)は、不動産を所有する債務者、保証人に対し、根抵当権設定仮登記承諾書、印鑑証明書を取得していた。根抵当権仮登記承諾書は、金銭消費貸借契約書の複写式にようで、実印を社員が押していたようである。物件はこの時点では空欄である。

根抵当権の仮登記は、根抵当権設定に関して仮登記とする旨の承諾書(実印を押印)があれば、いつでも現在でもできる。しかもこの印鑑証明書には、3ヶ月の制限がない(現在も同様)。SFCG(旧商工ファンド)は、債務者の不履行があるとあらかじめ徴収していた根抵当権仮登記承諾書し、不動産に根抵当権設定仮登記をした。これは、先順位の抵当権者がいても同様で任意売却のときの印鑑代等の確保も目的としていた。このような問題もあり、現行法では、上記印鑑証明書の原本還付は禁止されている。

根抵当権仮登記をしただけでは、競売をすることはできないので、競売をする場合は、本登記をする必要がある。設定者が本登記に協力しない場合は、訴訟をする必要がある(これは、公正証書によっても同様)。根抵当権の極度額が簡易裁判所の管轄であれば、社員を代理人にすることも裁判所の許可があればできるが、SFCG(旧商工ファンド)はそんな融資ほとんどないので、裁判所は、地方裁判所である。地方裁判所では、弁護士しか代理人になれないのが原則で、会社の代表者か代理人弁護士が出頭しなければならない。ただ、例外が支配人である。支配人は、商法、会社法上、その営業所について一切の裁判上、裁判外の行為をすることができる(商法21条 会社法11条)。裁判上の行為ができるとは代理人になれるということを意味する。

 支配人は、担当営業所については、会社代表者と同じ権限を有するから裁判でも代理人になれるという趣旨である。

 SFCG(旧商工ファンド)は、この制度を悪用した実質的には、支配人でないが、訴訟をするためだけに支配人を選任、登記をしたのである。後述の手形訴訟でも利用されている。弁護士費用を浮かしたのである。なお、当然、上記支配人は法の趣旨に反するので、代理権が否定された事案もある

SFCG(旧商工ファンド)は、おもちゃ手形による手形訴訟を乱発していた。一般の世界に流通している手形は、銀行の発行した手形帳に基づくものだけである。手形(小切手も同様)については、民事訴訟法「手形訴訟の特則」があり、手形訴訟は手形さえあれば、自動的に証拠調べも原則なく、すぐに勝訴判決がでるという仕組みになっている。なお、民事訴訟法上、手形訴訟は、銀行発行の手形帳に基づくものでなくとも認められる。手形の流通性からくるものである。

SFCG(旧商工ファンド)は、これを悪用した。手形訴訟のためだけに、債務者、保証人に、私製手形(銀行発行でない)を切らせ、契約不履行があると東京地裁に手形訴訟を提起し、迅速に判決に基づき、強制執行をしていた。

2002年においては、東京地裁での手形訴訟は1500件(全体の8割)と言われている。このような異常な事態に、東京地裁は、SFCG(旧商工ファンド)に対し、手形訴訟を提起しないよう要請するという事態になり、さらに、東京地裁は、上記状況は、手形制度及び手形訴訟制度を濫用するものとして不適法とした。

 上記のように、事実上手形訴訟ができなくなったので、SFCG(旧商工ファンド)は、契約時に公正証書を利用するようになった。手口は下記のとおりを言われていた。

①契約時に、債務者、保証人に実印、印鑑証明書を準備させる。

②契約書に、債務者、保証人の著名させる。

③SFCG(旧商工ファンド)の社員が実印を借りて、押印する。

④上記押印時、複写式の公正証書作成の委任状にも押印する。

 強制執行するためには、民事執行法上の債務名義が必要であるが、手形訴訟の判決(確定が必要)や手形訴訟の仮執行宣言付判決、金銭債務に関する公正証書はいずれも債務名義である。

公正証書は、契約なので確定という概念はないし、手形訴訟は、必ず仮執行宣言(確定しなくとも強制執行できる)が付くので非常に脅威だった。

司法書士 藤村和也 http://www.kfsj.net

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