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2011年1月

2011年1月21日 (金)

実際見た自筆証書遺言(平成23年1月21日更新)

 遺言は、民法に定め方式に従わなければならない(民法960条)。方式に違反した遺言は、無効である。実務上、遺言として登記等に使用することで、見る機会があるのは、自筆証書遺言と公正証書遺言である(ここでは、公正証書遺言は扱わない)。

 自筆証書遺言は、その名のとおり自筆で書く遺言である。方式について民法は、「遺言者が全文、日付、氏名を自著し、これに印を押すこと等」を要求している(民法968条)。自分で書くだけなので、専門家に援助を依頼しなければ費用は紙代とペン代くらいである。

 専門家が関与する場合の遺言は実務上ほとんどが公正証書遺言であるので、自筆証書遺言については、遺言者が独自に書籍等を参考に記載したものしか私は見たことがない。相続登記等の依頼があった場合は、家庭裁判所での検認からスタートする。

 検認は、通常の相続登記を同様な書類を家庭裁判所に提出する。遺言者の12歳くらいから死亡までのすべての戸籍類、法定相続人の戸籍など多くの書類が必要である。相続人の数が多ければ結構な数が必要になるし、時間もかかる。

 検認が終わって遺言をみるとこれで登記できるだろうかというものがでてくる。①遺言の作成段階で、既に分筆登記がされていて、地番、地積が食い違っていたり、②相続人に農地を与えるのに、特定遺贈(ある不動産を○に遺贈する内容)だったり、③不動産の表示で小字以下しか記載していなかったり、④所在の記載があるが、地番の記載がなかったりしたものがある。

 ①については、法務局に相談したところできれば遺産分割にしてほしいと言われたので、遺産分割協議で登記をした(実際にその遺言で、登記できるかは分らなかったが、遺産分割によることができたのでした。

 ②については、農地法の許可の要件を備えていなかったので、遺言では登記できないので、遺言による取得を放棄して、遺産分割で取得して登記した。

 ③については、法務局でなんとかこの遺言で通過し、登記できた。

 ④については、遺言の効力が発生する前に見る機会があったので、登記申請には至っていない。確かに、この所在には、この不動産しか所有していないので、特定できるといえば特定できるけど、実際登記はどうなのかなと思った。

 自筆証書遺言は、注意が必要である。せめて書籍を熟読して、書いていただきたい。せっかく遺言があっても無効では意味がないでしょう。

 司法書士 藤村和也 http://www.kfsj.net

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