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2011年5月

2011年5月27日 (金)

食中毒事件と責任(平成23年5月27日更新)

安全徹底 外食生きる道 原発・食中毒…

信頼確保に躍起東京電力福島第1原子力発電所の放射能漏れ事故や、焼き肉チェーン店「焼肉酒家 えびす」による集団食中毒事件を受け、外食、食品各社が頭を悩ませている。生命線である安全性が問われ、対応を誤ると「市場からの退出も迫られかねない」(食品メーカー)からだ。放射能事故の長期化や全国的な自粛ムードが広がる中、各社ともかつてない安全対策を次々と導入し、信頼確保に躍起になっている。

 「販売中止はしていないが、食中毒事件が受け、今は生ものは勧めていない」。東京・赤坂のある焼き肉店。ユッケとレバ刺しを注文すると、店員がこう答えた。事件以降、注文数は激減しているという。 大手焼き肉チェーンは相次ぎユッケ販売を中止した。

首都圏に250店を展開する焼き肉レストラン「安楽亭」(さいたま市)も今月3日から扱いを取りやめ、「当面、販売再開の予定はない」(同社担当者)という。 人気メニューのユッケを販売できなくなった上、焼き肉店自体へ警戒感が強まり、客足は低迷。震災後、売り上げは大幅に落ち込んだが、5月は前年並みを確保できる見込みだった。

しかし食中毒事件の発生で5月の客数は2割減という。 生肉について担当者は「使用する肉を複数回、細菌検査し、加熱用とは別に加工。1人前ずつ真空パックにした後に各店に納入し、調理も注文を受けてから肉を解凍し、衛生管理を徹底していた」と話す。今回の事件を受け、今年中に厚生労働省が新たな衛生基準を策定する方針だが、それ以上に厳しい管理体制を整備する方針だ。「食の安全は外食の生命線。コストが多少かかっても厳しい衛生管理体制を示さないと生き残れない」と同社の担当者は話す。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110526-00000000-fsi-bus_all

焼肉店にかかららず、すべての飲食に係わる業者にには、消費者に対し、安全なものを提供する義務がある。一般的に、この義務は、善良なる管理者としての注意義務である。

※「善良なる管理者としての注意義務」とは、業務を委任された人の職業や専門家としての能力、社会的地位などから考えて通常期待される注意義務のこと。注意義務を怠り、履行遅滞・不完全履行・履行不能などに至る場合は民法上過失があると見なされ、状況に応じて損害賠償や契約解除などが可能となる。

 例えば、焼肉屋が生肉のユッケをお客様に提供する場合、他の一般的な同業者と比べても生肉の管理がきちんとなされていれば、食中毒が生じても善良なる管理者として注意義務違反とはならない。焼肉酒家えびすの社長が、国が定める基準を満たした生肉は、国内には流通していないと逆切れをしたのは、この義務から責任はないと言いたかったのかも知れない。

 実際に受任した事件で、美容院でのヘアカラーの結果、アレルギー反応がでて、人体的傷害が発生した事件で、慰謝料請求をしたことがある。この事例は、特殊で、過去にアレルギー反応があることを美容院に告げていたことがポイントであった。ヘアカラーの説明書には、必ず48時間のパッチテストをするよう記載されている。本件では、この説明書に従わずにパッチテストを1時間で終了したものであった(正確には、パッチテストは終了していない。

 美容院がヘアカラーをする場合、48時間のパッチテストをしているところは、ほとんどないと思われる。だから、美容院には、責任はないというのが美容院の主たる主張であった(ようするに、善良なる管理者としての注意義務違反がない)。この主張は、私としては、想定の範囲内だった。アレルギーのことを美容院に告げているのだから、通常の場合と同程度の注意義務では足りないからである。ただ、訴訟中であったので、判例を調べたところ下記があった。

平成8年1月23日最高裁判所第三小法廷(民集 第50巻1号1頁)は、下記のとおり判決している。

平均的医師が現に行っている医療慣行とは必ずしも一致するものではなく,医師が医療慣行に従った医療行為を行ったからといって,医療水準に従った注意義務を尽くしたと直ちにいうことはできない。
 医薬品の添付文書の記載事項は,当該医薬品の危険性につき最も高度な情報を有している製造業者又は輸入販売業者が,投与を受ける患者の安全を確保するために,これを使用する医師等に対して必要な情報を提供する目的で記載するものであるから,医師が医薬品を使用するに当たって右文書に記載された使用上の注意事項に従わず,それによって医療事故が発生した場合には,これに従わなかったことにつき特段の合理的理由がない限り,当該医師の過失が推定されるものというべきである。」

この判例は、医療事件に関するものであるが、要約すると医師の義務は、平均的は医療慣行とは一致しない。医薬品の添付文書(説明書)は、医療慣行よりも重いもので、平均的な医療水準に優先するというものである。

 受任した事件では、さらに上記判例を利用し、説明書は、美容院の慣行よりも優先し、説明書に違反した場合には、過失があると主張した。

 結果、裁判官が2回目の口頭弁論で過失認定をしたので、最終的に金銭の支払いをする和解になった。

 焼肉屋えびすの事件でも、上記最高裁判例を利用すれば、国の基準は、慣行に優先するというふうに導くこともできるのである。

司法書士 藤村和也 http://www.kfsj.net

2011年5月10日 (火)

独自の理論(平成23年5月10日)

 実務では、判例、通説(判例はないが、最も学者の間で指示されている学説)も参照としていない主張を独自の理論ということがある。独自の理論をさも正しいように主張するヤツは相手をしないに限る。粛々と裁判手続きを進める。何を言ってきても無視。裁判を通じて主張しろと言って(ほとんどこれすら言わないことが良い)相手にしない。

 判例、通説であれば、裁判でも堂々と主張できる。裁判官も当然、判例、通説も妥当と考えれば採用する。最高裁判例であれば、ほぼ確実に採用する。判例、通説があれば、これに反する独自の理論を主張しても裁判では門前払い同然で相手にはされない。

 実際こんなヤツがいた。賃料不払いによる建物明渡の請求事件で、所定の手続きをした上で、訴訟提起をした。被告が、「被告自身の契約の締結前の事情を主張して、賃料を減額などという馬鹿げた答弁」をしてきた。馬鹿馬鹿しい。そんなら最初から契約をしなければ良いのだ。裁判官だって相手にするはずがない。

 建物の賃貸借については、賃借人に複数の債務がある(例 延滞賃料、不法占拠後の賃料相当損害金 等)ある場合、敷金の充当は賃貸人のみができる。契約終了後も同様である。建物明渡後、大量のゴミがあれば、その処分費用は、賃借人が負担するのが当然である。このゴミ処分費用を敷金を充当しようが、延滞賃料の利息に充当しようが、賃貸人の自由である。賃借人には、充当の指定をする権利はない。こんな主張をするヤツもいる。

まあ、こんなヤツには裁判所で手続きを粛々とするだけである。

司法書士 藤村和也 http://www.kfsj.net

2011年5月 3日 (火)

消しゴムすら使用できない(平成23年5月2更新)

 今から、10年以上前(具体的には平成10年12月24日から平成12年7月の試験まで)、私が司法書士の受験をしていた頃、大宮に通っていた。私は、プロの受験生だった(朝、5時から8時のアルバイトを除いてほぼ勉強ができる環境だった)。

 大宮のレックの自習室は、朝9時30分から夜の9時まで利用可能だった。受験時代を通して、月曜日から金曜日は、朝9時から午後7時くらいまで自習室で勉強をした。昼間勉強をしているのは、司法試験か司法書士くらいだった。大抵面子は決まっていた。くそまずいブラックコーヒー(インスタントコーヒー)を飲みながらひたすら勉強した。この時期のせいか今もコーヒーはブラックである。

 自習室は、何かを落とせば音が響く、消しゴムを使用する音すら響く、ガムも噛むと音が響くような気がした。やがて自習室での消しゴムの使用をやめ、使用する場合は、自習室の外の廊下でした。私は、問題集を解くことがメインだったので、特に消しゴムの使用は多かった。

 時々、この雰囲気に絶えられずに逃げ出した。近くに当時は映画館があったので、リングゼロなんかを突然見に行った。

 こんな環境に身をおいたことがあるので、今でもこんな状況を好む傾向があります。

司法書士藤村和也 http://www.kfsj.net

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