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2011年8月

2011年8月16日 (火)

アイフルの過払い請求の現状〔平成23年8月16日更新)

利息制限法引き直しによる過払金請求が消費者金融に対してできる(可能性がある)ことは、現在、広く知られている。

しかし、実務ではとんでもないことが行なわれている。武富士は、現在、会社更生手続き中である。なお、更正計画が可決された場合の第1回弁済予定は、たった3.3%である(2回目も予定されている)。武富士は、法的手続き中であるからまだましである(問題はたくさんあるが)。

http://diamond.jp/articles/-/13407にもあるが、これは事実である。アイフルは、下記書面を私に送付している。

「アイフルは、過払い金返還を今後も継続して行なう意思はあるが、概ね過払元金の4割前後の返還でなければADR計画を遂行する事は困難である。

武富士の法的整理を経た過払債権の配当は1割~2割と言われている。

法的整理の場合、過払債権者が配当を得るのは、手続き開始から1年以上経過してからなると想定される。

アイフルは、ADR計画の遂行が見込める和解内容(4割程度)なら、躊躇なく早期和解に応じる会社である。

4割程度の和解金で了承いただけるなら、破綻のリスクも極めて低く、早期の過払い金を受け取れる。

アイフルは、ADR計画に遂行が見込めない和解内容(5割以上)なら、訴訟の係争も厭わず早期解決は困難になり、解決までには1年以上の期間を要する場合がある。」

アイフルの言わんとしていることは、過払金返還について自発的に法律上の義務に従って支払う意思はない。5割以上の金額がほしいのなら、どうぞ訴訟しろ。訴訟ではアイフルは、徹底的に引き伸ばし策とやるぞである。なお、アイフルに早期っていつと聞いたことがあるが、4ヶ月も先だった。アイフルでは、4ヶ月が早期だそうだ。金銭支払いの早期とは、1週間程度をいうのではないだろうか。

実際、ADR中に過払金返還訴訟をアイフルにしていたが、当時の主張は本当にめちゃくちゃだった。20ページに渡る答弁書、準備書面を提出していた。定型の書類なので、反論方法については、公開されたものがあるので、特にこちら側の準備書面には困らないが、念のため、新しい主張がないかチェックするので、これに多大な時間が殺がれる。この事案は、依頼者の意向で、過払金の元本、利息(支払い日の前日まで)、さらに訴訟費用(裁判所に申立をした)まで、払わせた。ほぼ、法律上の請求の限界の請求である。

私では、アイフルとの任意整理(将来利息をカットする和解)はできない。上記の態度をとる私にはアイフルは私には協力しないというスタンスである。風のうわさであるが、アイフルと4割程度の過払請求しない代わりに任意整理をアイフルが受け入れるという契約をしている司法書士がいるという。当然、こんなことは、依頼者に対する背任行為にすぎない。私は、他社を含む手続き過払い金返還については、利息を含めたほぼ満額以外は和解していないので、事務所の方針としてはアイフルの要求は呑むことはない。

事務所の方針は上記のとおりだが、契約の段階では説明義務との関係が重要である。アイフルは、受任通知を送付すると上記内容のおどし文書と必ず送付してくる。過払金返還については、相手方の破綻するリスクの説明をしなければならない。手続き進行中に民事再生や会社更生手続きに入って場合は、それまでの手続きが無駄になる可能性の説明である。実際には、武富士を始め現実性をおびている。アイフルもその可能性は十分にある。

アイフルの過払い金請求の場合、おどし文書の説明を依頼者にしなければならない。仮に4ヶ月以内にアイフルが民事再生、会社更正手続きに入った場合、ほぼ確実に配当金は4割を切る。つまり、結果として、アイフルの要求を呑んだほうが依頼者の利益になったことになる。故に、依頼者に説明するのである。説明しない場合、司法書士に損害賠償の責任もでてくる可能性がある。依頼者に説明の上、破綻のリスクをおった上で長期の請求をかけるのであれば、司法書士には通常責任は生じない。

過払請求の場合は、アイフルに限らず次の事項を契約に特に目立つように明記している。

①和解等が成立した場合でも、支払い日までの民事再生、会社更生等の破綻手続きに入った場合、返還金額は大幅に減額されます。

②勝訴判決等になった場合でも、相手方が自発に支払わない場合があり、法の定める強制執行も効果がない場合があります。

③年単位の時間がかかる場合があります。

司法書士 藤村和也 ホームページ http://www.kfsj.net/

2011年8月 5日 (金)

後見事務と居住用不動産の売買(平成23年8月5日更新)

法定後見制度には、後見、保佐、補助の三類型がある。後見は、包括的な代理権が当然にある(よって、代理権付与という制度はない)。保佐と補助は、原則代理権がなく、家庭裁判所の審判によって代理権が付与される。不動産の売買について、保佐、補助の場合での代理権が付与される場合はままある。以下、この代理権付与がある場合を前提とする。

不動産の売買の代理権を行使する場合、原則、裁判所の許可は不要である。ただ、実務上、田畑の売買であっても家庭裁判所に事前の確認をすることが求められている。ただ、この事前の確認を怠っても売買の効力には影響を及ぼさない。

民法第八百五十九条の三 成年後見人は、成年被後見人に代わって、その居住の用に供する建物又はその敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。

※この条文は、保佐、補助の場合にも準用されている。

この条文は、居住用の不動産の売買、賃貸、抵当権設定等の場合には、家庭裁判所の許可が必要との条文である。居住用の不動産は特に重要なものなので、家庭裁判所の許可に係らしめることによって、特に保護したものである。

次の場合、上記許可が必要か。①居住用不動産の分筆、②居住用不動産内の家財道具の売却、③居住用不動産内に設置してあるカーポートの売却、④居住用不動産の雨漏りの修繕

①許可不要 分筆そのものでは、不動産を変えるものでない事実行為であるから ②許可不要 不動産の売買でないから ③許可不要 不動産ではないから ④許可不要 不動産の売買等ではないから

なんだと思うかも知れない。しかし、①~③まで実際の事案で家庭裁判所に事前の相談をした。実は、居住用不動産の売買等を家庭裁判所の許可なしで行なった場合の効果は、絶対的な無効だからである。この許可書は、所有権移転登記の添付書類だが、登記官には、居住用かどうかの判断はできないので、登記が通ってしまうことがあるのである(この方が多いであろう)。気の聞いた登記官なら、印鑑証明書の記載から気づくことがあるかも知れないが、実務上、居住用が極めて広く理解されており、下記はいずれも居住用と理解されている。

①現在は、施設に入所して帰宅する見込みない自宅 ②過去住んでいた自宅

要するに、なんでの居住用とまず理解する必要がある。しかも、許可のない売買は、無効であるから、必要に応じて原状回復必要がある。発生した損害は当然に後見人等の個人としての負担である。報酬の有無は関係ない。

さらに、明白な法令違反であるから、極めて高い確率で家庭裁判所で解任される。家庭裁判所はこのような場合、辞任は許さない。家庭裁判所の解任は後見人等の欠格事由であるから、複数人の後見人等のなっていれば、すべて後見人等の欠格事由になる。

さらに、過去の事例では、極めて高い確率で司法書士の懲戒の問題となり、司法書士の資格を剥奪(業務の禁止)された事例もある。後見等の職務に、「えーーい。やっちゃえ」は許されない。

疑問があるなら、家庭裁判所に相談である。きちんと回答してくれる。他人の財産を管理しているので、本当に慎重になる。後見事務をしていると家庭裁判所が後ろだてになっているが、同時に強い監督によるプレッシャーがある。

司法書士 藤村和也 http://www.kfsj.net

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